2024年7月19日金曜
アルプスの女王と呼ばれる北アルプスの燕岳は憧れの山だった。
その山頂のすぐそばにある1921年創業の歴史を誇る燕山荘、ここも山小屋No.1の誉れ高くキラキラした存在だった。
今回の登山ルートは合戦尾根ルート。登山口から山頂までの標高差が1,200mある。今までこんな高低差を登ったり下りたりしたことがないという未体験ゾーンの登山だったので、果たして下りで膝痛が出ずに下りれるかどうかが最大の不安だったが、なんとか無事に下山出来て、安堵感と達成感に浸っている。
今回、燕岳に登って、燕山荘に泊まって、評判通りの素晴らしさを体感して、憧れが現実のものになって最高の気分。
金曜に仕事を休んで早朝にクルマで出発。中央高速を駆けぬけ、長野道に入り、安曇野ICで下りて、中房温泉を目指す。
燕岳の登山口は中房温泉の手前にある湯原の湯♨️の横にある。そのすぐ横に燕岳登山者用の中房温泉の有料駐車場がある。
ここだと登山口のすぐそばに駐車出来る。料金は5,000円/日/台。ネットで2ヶ月前の5月に予約しておいた。我々は山頂近くの燕山荘に泊まって翌日下山するので2日分で10,000円。駐車場キャパは7台しかないのでハイシーズンの週末はすでにキャンセル待ちになっているが、早くに予約しておいて良かった。
1日駐車すると野原の湯 ↓ に二人まで無料で入れる。
登山者用有料駐車場の予約サイトは ↓
登山口付近はこんな感じ ↓
登山口から9:30にいよいよ出発 ↓
燕岳は山頂手前にある燕山荘まで、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチ、そして合戦小屋、と休息ポイントが明確にある。
燕山荘HPにある初心者向けガイドには、各休憩ポイント間を50分で登ることになっている。それを目安に登山開始。
まず最初の第一ベンチを順調に通過。
でも、歩き始めていきなり急登が始まってずっと続くので、しばらくして身体が慣れてくるまでは、これがずっと上まで続くの?と結構不安だった。
25分くらいしたら身体が慣れてペースが掴めて楽になってきた。
第二ベンチ、第三ベンチも順調に通過。
写真には写っていないが、ちゃんとベンチがあって座って休めるようになっている。
第三ベンチでは座って持参したおにぎりをひとつ食べて栄養補給した。
この時間だと朝イチ発で上から下山してくる人たちが結構いるので譲ってもらいながらすれ違って登る。
ところどころ眺望があるところがあるので、そこで立ち止まって景色を見ながら水分補給。
そしてまた急登。
次の富士見ベンチからは残念ながら富士山は雲に隠れて見れなかった。
次の休憩ポイントはスイカで有名な合戦小屋なのでそれを楽しみにまた登る。
あと10分。
あと5分。
こんな標識も出してくれているので、ずっと急登が続くが、なんとか頑張れる。
合戦小屋に無事到着。
緑色のスイカマークと赤いのぼりが見えた時はホッとした。
早速、名物のスイカをいただく。
頼むと食べやすいように二つに切ってくれる。ここのスイカは名産地で有名な松本市波田(はた)の下原スイカだ。甘くてシャリシャリしていて最高に美味しい。普段はかけないが、山なので塩分補給のために塩を少しかけた。
こんな山で新鮮なスイカが食べれる理由はこのケーブル。これで下から運ばれてくるらしい。人が運んで来るのではなくて良かった。
憧れのひとつだった合戦小屋のスイカも食べれたし元気をもらって最後の90分、燕山荘までの道のりを登る。燕岳まで2.3km。燕山荘まではあと1.3km。
今まで50分毎、実際にはそれより少し早くに次の休暇ポイントにつけたのだが、最後は今までの1.5倍以上を登るのかと思うと少し気が重かったが、上に来ると一気に涼しくなったからか、スイカの元気のおかげか、思っていたより順調だった。
高山植物が綺麗だ。
テントが見えてきた。もうすぐ燕山荘。
ついに燕山荘に到着。
これが憧れていた燕山荘か、美しいと感動。
とりあえずチェックインして、リュックを置いて、水だけ持って身軽になって燕岳山頂を目指す。
森林限界を超えてからは自然保護のために極力ポールを使わないで欲しいと燕山荘HPに書いてあったのでポールなしで山頂に向かった。
が、風が強かったのと、足腰の疲労で標準タイムより時間がかかってしまった。
花崗岩の白とハイマツの緑のコントラストが美しく写真を撮るのに時間がかかったせいもあるが。
高山植物の女王・コマクサが可愛らしかった ↓
有名なイルカ岩 ↓
こちらも有名なめがね岩 ↓
やっと山頂に着いた。
残念ながらガスっていて360度の眺望とはいかなかったが、あこがれだったアルプスの女王の山頂に来れてなんともうれしい。
動画はこちら ↓
もっと頂上にいて余韻に浸っていたいが、下山開始。
帰りは写真撮影にそんなに時間はかからず、無事燕山荘に帰還。
足腰がパンパンだ。
早速、私はビールの中ジョッキで乾杯。同行者は、燕山荘名物のケーキを堪能。このケーキは下からヘリコプターで運ばれてくるとのこと。燕山荘にはヘリポートがある。ありがたいことだ。
すぐそばの石の上にちょこんとイワヒバリがいた。写真の真ん中右下 ↓
じっとしているとレインウェアを着ていても寒くなってきたので部屋に入る。さすが北アルプス。
夕方の燕山荘の入り口付近はこんな雰囲気 ↓
部屋に戻ってストレッチをしたりしてくつろぐ。姫小松という2Fの部屋。今回は3人で行ったので個室が予約出来て良かった。布団が5人分あったのでこの部屋は最大5人用のようだ。畳も布団もサラサラですごく清潔な感じで安心できる。
18:00の夕食までに時間があったので売店へ。人気No.1の燕Tシャツは絶対に買いたい。
去年、白馬の唐松岳に登った時に、背中に「燕」の一文字がある紺色のTシャツを来ている若い女性がいて、彼女は燕岳に登ったんだな、カッコイイな、と思っていた。
憧れていた紺色のTシャツをゲット。ついついバンダナも買ってしまった。
いよいよ夕食。私たちは18:00からの回。その前がたしか17:00から、この後、19:20の回が最後の夕食だった。
18:00の回は食堂が満席。学生の時の部活の夏合宿の雰囲気。今夜のメニューはコレ。
美味しくてガツガツと食べてしまった。特に味噌汁が身体に染み入るようだった。こんな山の上で暖かくて美味しい食事をいただけて本当にありがたい。
この日は残念ながらオーナーさんが不在とのことで、名物のホルンの生演奏と山のお話はなし。代わりに30分程度の動画で聞くことが出来た。
オーナーさんのお話からは自然を愛する気持ちが滲み出ていて気持ちが良かった。特に、世界の雷鳥のうち、人を怖がらないのは日本の雷鳥だけ、それはいかに日本人が雷鳥を大切に扱ってきたかの証、という話には感動した。世界各国の研究者がその調査のために燕山荘に来た時にドイツの研究者からそのように言われたとのこと。
この日は、雷鳥に会えなかったが、翌日に会うことが出来たのでラッキー&ハッピーだった。写真はのちほど。
憧れだった燕山荘の評判の高さは、泊まって納得。まず、スタッフのみなさんの明るい笑顔と親切でキビキビした対応、それに建物の中がとても清潔で山小屋と思えない。すごく暖かい雰囲気で、初めて来たのになんだがずっと長い間ここにいるような気分になって大満足だった。特に女性に人気というのも分かる。今回も宿泊者の70%くらいが女性だったのではないか。
夕食の後は、食堂の隣のサンルームでスイスワインを楽しんだ。スイスワインとカリフォルニアワインがあって値段はスイスの方が高かったが迷わずスイスを選択。やはりアルプスに来たんだからスイスワインでしょ。
おまけにスイスは美味しいワインで有名。でもスイスは量をたくさん作っていないので、美味しいワインは全てスイス国内で消費されてしまい、国外にはなかなか出回らなくて手に入らないので、なぜここでスイスワインが飲めるのか?と疑問に思っていたが、あとで説明書きを読んで納得 ↓ 創業1392年のワイナリーのオーナーと燕山荘のオーナーさんがお友達なので特別に仕入れることができるのだとのこと。
とても美味しいワインでもっと飲みたいところだったが、明日は心配な山下りなので一杯だけでで打ち止め。
ワインのあとは外に景色を見に行った。ガスがなくなってクリアな眺望になっていて、山の下の街並みの灯が見えて、なんとも気分が良かった。
燕岳をバックに、オレンジ色の灯りがついた燕山荘がとても美しい。
明日も晴れてくれるといいな、願いつつ部屋に戻った。
消灯は20:30。
我々は個室なので消灯ギリギリまで話をしたりしていたが、二段ベットにカーテン仕切りがついたような一般室のみなさんは、消灯のかなり前からカーテンを閉めて物音もしていなかったので、就寝前のトイレに行く時もそーっと歩いて行った。
つづく
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