2025年5月11日
矢野顕子と上原ひろみのライブを聴きに行った。

場所は渋谷のNHKホールであるが、音響が良いと聞いているし、初めて行くので、それも楽しみである。
この二人のライブは、本来なら去年の9月に行っているはずだった。
東京オペラシティで2日連続でライブがあって、どちらかには当選して行けるだろうと思っていたら見事に外れてしまったのだ。オペラシティは大好きなホールなので、それも期待していたのだが。
悔しがっていたら、その2日間のライブがアルバムになって発売され、↓ 早速買って聴いたらとても良かったので、ますます、残念だったな、聴きたかったな、という気持ちになっていた。

そうしたら、またライブをやるというので、今度こそ、という気持ちで申し込んだら、今度は当選した。あえて高いS席ではなく、安いA席を第一希望にした作戦が奏功したのかもしれない。
またこの二人が生み出す美しい音楽を聴けるのを心待ちにしていた。
当日は、代々木公園でタイフェスティバルをやっていてちょっと面白そうだった。↓

残念ながら時間がないので、そそくさと憧れのNHKホールへ。↓

一度大晦日に紅白歌合戦を観に来たいと思っているが、毎年応募するのを忘れて今に至っている。
座席数は3,601とのことだが、我々は一番上の3階席の一番後ろから4番目だった。↓ やはり遠いが、幸い左右の真ん中で座席の傾斜が急なのでステージ上はかなり小さいがよく見える。早速オペラグラスのピント合わせをやって準備完了だ。

写真がボケボケだが、矢野顕子が左側、上原ひろみが右側。椅子が違って、特に左の矢野顕子の椅子が変わっていて面白かった。↓ 上原ひろみのピアノがいつものYAMAHAであるのは見えたが、矢野顕子のは見えなかった。上原ひろみは子供の頃にヤマハ音楽教室でピアノを学んだので、その流れでずっとYAMAHAを弾いていると理解している。

この二人のジャズピアニストは大好きで尊敬している。
矢野顕子については以前は良く分かっていなかった。
さすがだな、この人って凄いんだな、と思ったのは、2019年8月に青山のブルーノートでYANO AKIKO TRIOのライブを聴いてからだ(トリオのWill Leeのベースもとても良かった)。
そして、4年後の2023年8月に、また同じブルーノートにそのトリオのライブを聴きに行って、すっかり魅了された。
さらに、最近になってだが、敬愛するMISIAの「希望のうた」を作詞作曲したのが矢野顕子だと知って、改めて、この人の凄さが分かった。
一方、上原ひろみについては、デビューアルバムを聴いて、こんな凄いピアノを弾く日本人がいるんだな、と感動したのだが、当時は仕事が忙しかったりで、そこで終わってしまっていた。
その後、ずいぶん経って、テレビ東京の「新・美の巨人たち」を観ていたら、テーマ曲が凄くて、これは一体誰?と思って調べたら、上原ひろみだった。
番組のオープニング曲が「Kaleidoscope」 、エンディング曲が「Once in a Blue Moon」で、それらが収録されているアルバム「Spectrum」を早速聴いたら、タイトル曲のSpectrum含め、とても良くてすっかりファンになってしまった。Spectrumは、この日も上原ひろみがソロで演ってくれたが、彼女が主旋律を両手の一本指で鍵盤を強打して見事に弾きまくる姿には本当に感動した。
その後、さらに圧倒されたのは、Silver Lining Suite / The Piano Quintet だ。
コロナ禍の2021年の8月に、たまたま見たテレビでフジロックの映像が放映されていて、そこで、このピアノクインテットが流れていて、スゴイなコレ、とぶっ飛んでしまった。
ピアノと弦楽四重奏による新プロジェクトで、全ての作編曲は上原ひろみである。
早速CDを聴いて楽しんでいたら、ライブがあるというので、その年の年末12月28日に渋谷の文化村オーチャードホールでのライブを聴きに行った。CDで聴くより遥かに良くて、ライブらしいドライブ感満載で大感激であった。
その一年後の2022年12月には、上原ひろみwith矢野顕子&ピアノクインテットのライブがあって、前半は上原ひろみと矢野顕子のピアノ、後半はピアノクインテットという、何とも贅沢な内容で、最後はスタンディングオベーションの感動の極みであった。
遅まきながら、この時に初めて、矢野顕子と上原ひろみの二人の演奏を聴いたのだが、お互いがピアノで会話しているようで、二人の個性は異なるのだが、その二人が一緒に演奏することで、新しい魅力が生み出されていてすっかり酔心してしまった。
それから3年経って、今回またこの二人の天才のピアノを聴けて感激だった。
ピアノだけでなく、矢野顕子のあのボーカルがあることで、音楽の幅が広がってより魅力的になっているなと改めて感じた。
途中のグリーンスリーブスの時に、上原ひろみがピアノの弦を手で押さえてミュートして、ジャズベースのような音を出して矢野顕子に合わせていたのも素晴らしかったし、アンコールも、「ラーメン食べたい」と「飛ばしていくよ」の2曲を演ってくれて、最後を締めくくる「飛ばしていくよ」は圧巻だったな。
二人の関係は20年前からだと言う。
前回、2022年のライブの時も、矢野顕子が「みなさんは聴いていて楽しいでしょうけど、演っている私は大変なのよ」と言っていた。上原ひろみとセッションを演るのは、さすがの矢野顕子でも受けて立つのが大変なんだろうな、と感じたのを覚えている。
毎回毎回、これが最後、と矢野顕子が言っているようで、今回も同様であったが、上原ひろみが「まだまだ演り足りない」と切り返していた。
最後にステージ上で客席をバックに撮影していた写真が上原ひろみのインスタにアップされていたので以下に引用させていただく。




あ〜残念、終わってしまった。
だが、今回は当選して聴きに来ることが出来て良かった。感謝である。
矢野顕子も70歳のようなので、たしかに大変だろうなと思うが、この偉大な二人が生み出す美しい音楽が聴けなくなってしまうのはなんとも残念なので、これからも聴きたい。
よろしくお願いします。
おわり
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