2024年10月12日
実は、「日本百名山」を著した深田久弥が、その後書きの中で、「東北では秋田駒ヶ岳と栗駒山を百名山にいれるべきであったかもしれない」と述懐しているという隠れた名峰であることを知った。
調べたらスゴイ紅葉だと分かり、これは行かねばと、3月頃にホテルの予約をしようとしたらすでに一杯で、一度は諦めたが、8月のお盆明けに再度ホテルのHPを見たら、空きがあってなんとか予約出来た。行けて本当にラッキーだった。
早くから紅葉を楽しむには北上するのが一番だが、お隣さんに、紅葉なら(宮城県の)栗駒山、と教えていただいた時は、その名前すら知らなかった。
こういう紅葉を見たのは初めてで、「神の絨毯(じゅうたん)」と評される理由が分かった。納得の美しさだった。
快晴の空の青に雲の白、そこにハイマツの緑が加わり、その中に、ドウダンツツジやカエデの赤やオレンジや黄色、さらに落ち着いた草紅葉が混じるという贅沢な配色が見事で、その全てが低木や草から成っているので、上から見ると、色とりどりの糸で編み込まれた絨毯が敷き詰められたように見える。
今までの人生で一番の紅葉だった。
去年の秋は八幡平に行ったが、ちょっと紅葉のピークには早かった。今年は栗駒山の紅葉ピークがドンピシャになりそうなので、3連休の混雑を避けるため、連休前の金曜の午後は仕事を休んで前泊することにした。
東北新幹線はやぶさで仙台まで行き、やまびこに乗り換え、二つ目のくりこま高原駅に16:01着、バスで迎えに来てもらえるのでありがたい。
すでに新幹線の中で弁当を食べながら一杯やっているのでテンションは十分に上がっている。
50分くらいで、今夜のお宿、ホテルハイルザーム栗駒に到着。部屋はシンプルで気持ちいい。↓
とりあえずビールを一杯飲んでひと息ついてから、温泉♨️へ。
ここはくりこま高原温泉郷のひとつだ。↓
お風呂はこんな感じ。↓
風呂から上がったら夕食だ。
これだけで十分だが、この後、焼きたての名物の岩魚の塩焼きが供され大満腹。美味しかったです。ごちそうさまでした。↓
面白かったのは、ご飯がおにぎりで出てきて、二種類のお米の食べ比べになっていたこと。
左がササニシキ、右がひとめぼれ。さすが、米どころの宮城県である。この日は私はお腹一杯だったからか、軽くサラッとしたササニシキの方が美味しく感じた。↓
満腹後は再度温泉でリラックス。
明日の天気は快晴マークだ。
遠足前の子供のように興奮気味なので早めに就寝💤
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目が覚めて、部屋のカーテンを開けると、雲ひとつない快晴。前回の栂池は大雨だったが、今日はバッチリだ。
ホテルの駐車場に出てみると、東栗駒山の頂上付近が紅葉で赤く染まっているのが見える(真中右部分)。↓
気がはやるが、栗駒山に向かうホテルの送迎バスは9:00出発なので、まずはサクッと温泉に入り、朝食をしっかりいただく。↓ 美味しかったです、ごちそうさまでした。
割り箸の袋に紅葉の栗駒山が描かれていて、ますます気持ちが盛り上がる。
いよいよ、出発だ。
栗駒山は、宮城、秋田、岩手の三県にまたがる山だが、今回、私たちは宮城県側から登る形だ。宿泊客はホテルから登山口のいわかがみ平までバスで送っていただけるので非常にありがたい。ホテルから10分ちょっと。
マイカー規制をしているので、クルマの人は駐車場からシャトルバスでいわかがみ平に向かうのだが、この日は500台くらいのキャパがある臨時駐車場含め、朝の7:30くらいで満車になったらしい。
なお、電車で来る人は、JR石越駅、もしくは新幹線のくりこま高原駅から往復のバス便が出ている。この日はこのバスが10台出動したと聞いた。↓
いわかがみ平に到着。
トイレはいわかがみ平のそれが頂上までの最後なので立ち寄ってからスタート。ここからの紅葉の景色でも十分に美しい。↓
一番手軽なのは中央ルートだが、そこは帰りに通るとして、登りは東栗駒ルートで行く。ここが登山口。↓
このルートは、いきなり歩きにくい道で始まる。ガイドにも書いてあったが、最初は、かなり泥々でぬかるんでおり、大きな石も多く滑りやすい。泥々のところや滑りそうな石を避けながら歩くが、着地場所を見定めるのが難しく、スタート早々、神経を使うことになった。↓
途中、こんなミニハシゴもあった。↓
が、30分くらい歩いた頃から道が良くなって楽になってきた。
その頃には視界も広がって一気に紅葉の世界が目に飛び込んできた。
最高の景色だ。↓
しばらく歩いたら新湯沢の沢に出た。↓
水の流れる音がなんとも心地良く、沢の流れに紅葉が映えて美しい。
沢の音を残したかったので動画を撮った。↓
少し歩くと、神の絨毯に覆われた東栗駒山が見えてきた。↓
景色が良いので歩いているのが楽しい。
そろそろ東栗駒山の山頂が近くなってきて、今度は栗駒山が迫ってきた。↓
東栗駒山の山頂から栗駒山を臨む。山頂と言っても丘の上みたいな感じだが。↓
写真では収まらないので、東栗駒山山頂からの眺めを動画で撮った。↓
ドウダンツツジの真っ赤な紅葉。↓
東栗駒山から栗駒山へはこんな気分の良い稜線を歩いていく。↓
ふと振り返ると、美しい草紅葉と絨毯が見える。↓
ここで東栗駒ルートが中央ルートに合流。中央ルートを登ってから人たちが見える。↓
栗駒山の紅葉は東栗駒山と栗駒山の間に広がるカール状の部分が一番有名で見事だが、東栗駒ルートを歩くと、尾根から栗駒山と反対側の場所の美しい紅葉も楽しめるのが魅力だ。
おそらく、早朝5時くらいまでにクルマで駐車場まで行き、6時からのシャトルバスに乗って、朝の光を浴びた山の斜面のキラキラ輝く紅葉を楽しむのが最高であろう。
これだけ天気に恵まれて、こんな景色を生でこの目で楽しめているのは本当にラッキーで感謝である。
出来れば、このあたりをずっとぶらぶらして、刻一刻と変わる光の加減によって移り変わる美しい自然の中に身を置いていたい。
もうすぐ栗駒山の頂上というところからの眺め。↓
頂上に上がるところがミニ渋滞している。↓
山頂に来たが、人がたくさんで写真を撮るのも大変。↓
反対側はガスっていて眺望がない。
10時を過ぎたので、やはりガスが出てきた。本当は遅くとも10時前には山頂に着いて眺めを楽しみたかったが、9:00ホテル発のバスだったので仕方ない。
だが、神の絨毯側はクリアに見えて嬉しい。↓ ちょうど日が当たって美しい。
ここも写真では収まりきらないので動画で撮った。↓
さあ、しばし景色を楽しんだら下山開始。
帰りは中央ルートだ。
下りながら見る景色も美しい。↓
が、振り返って栗駒山を見る景色も最高だ。↓
中央ルートを山頂から少し下ってきたこのあたりが、栗駒山の紅葉を象徴する眺めのはずである。↓
栗駒山から目を離すのは名残惜しいが、下を向くとこちらも素晴らしい景色だ。↓
しつこく、また振り返って栗駒山を見る。↓
写真では収まりきらないので動画を撮った。↓
動画を入れる
この先はもう眺望がなくなってしまうのが残念だが、まだ登山道沿いの紅葉が楽しませてくれる。↓
中央ルートの最後の方はこんな感じ。↓
いわかがみ平に戻って来てしまった。
残念だが、下山してすぐに生ビールを飲めるのは嬉しい。↓
ホテルでお昼用に握ってもらったおにぎりを食べてホテルの14:00の迎えのバスを待つ。↓
いわかがみ平のバス駐車場に降りて来たら、たくさんの人が並んでいる。下のマイカー用駐車場に行くシャトルバス待ちの人たちだ。↓
本日の山歩きルートはこちら。↓ 反時計回りだ。
無事にバスに乗ってホテルハイルザーム栗駒に戻る。
私たちはのんびりもう一泊していくが、2組のご夫婦はホテルについたらすぐに14:30発で新幹線のくりこま高原駅に向かって行かれた。
片方のご夫婦はなんとこの紅葉を見るために、はるばる愛媛から来られたとのことで、その日のうちに一ノ関に移動して平泉を回ってから帰ると仰っていた。
私たちはその後ビールを飲み、温泉でゆったりして、美味しい夕食をいただいて大満足である。↓
夕食後に部屋に戻ってNHKの夜7時のニュースを見てたら、最後に空からの栗駒山の紅葉の映像が流れてびっくり。なんかヘリコプターが多いなと思っていたが、こういうことか。
その日は歩いたせいか、眠りが普段より深かった💤
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さて、ここからはおまけ。
翌朝のんびり起きて、温泉に行こうとしたら、山登りの格好をした人たちがホテルのトイレに入っていく、なんと女性用トイレには列が出来ている。
この人たちは宿泊客じゃないな、誰?と思ってホテルの人に聞いたら、上のマイカー用駐車場がすでにパンクして、今日はこのホテルの駐車場も追加で開放することになり、クルマを停めた人たちがトイレに来ているとのことだった。↓
昨日はここまでクルマが多くなかったのでホテルの駐車場を開放しなくても済んだのだが、どうやら宮城県の地元の新聞にも栗駒山の紅葉のニュースが出たらしく、それを見て今日は大挙して人が来るはず、と言っていた。
事実、私たちがその後10:00発のホテルのバスでくりこま高原駅まで送ってもらっている時もたくさんのマイカーとすれ違ったが、私たちがホテルを出た時点で、すでにホテルの駐車場は一杯で道路に駐車場待ちのクルマの列がどんどん増えていたので、すれ違ったクルマたちはどうなったのか?
我々は無事駅に着いて、仙台での乗り換えの間に牛タンを買って帰宅。
天気にも恵まれ、最高の紅葉を楽しむことが出来て感謝である。
なお栗駒山については以下のサイトが分かりやすくて良かった。↓
おわり
追伸
このあたりでは、刈り取った稲をこのようにして乾かすらしい。↓
帰りのホテルから駅までのバスで注意して見ていたら、あった。↓
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