2023-12

セリフが極端に少ない、映像が美しい、音楽が印象に残る、余韻があって後を引く、主人公の平山さん（役所広司）にまた会いたくなる。そんな映画だった。最初のアニマルズの曲が流れた瞬間、心をガバッと掴まれてしまった。どの曲もいいが、やはり最後のニーナ•シモンが最高、その時の平山さんの表情がなんとも深くて完全にノックアウトされた 。

ここのもうひとつの目玉は、冬至光遥拝道。冬至の朝、相模湾から昇る陽光はこの70メートルの隧道を貫き、対面する巨石を照らし出すのだそうだ。この特別な日は死と再生の節目として世界の古代文明で祀られてきたそうだ。その陽光をここで拝みたいですね。杉本さん曰く、5,000年後にここがどのような形で残るかというのが完成形なのだそうだ。

NHKの日曜美術館で見て、ここには絶対に行きたいと思っていたが、やっと行けた。まさに自然とアートの融合だと感じる。目玉のひとつは、夏至光遥拝100メートルギャラリー。夏至の朝、海から昇る太陽光がこの空間を数分間駆け抜けるのだそうだ。なんともカッコイイ。また、ここは石が美しい。昔の石も、地元の根府川の石も見ていてあきない。

城崎温泉の二日目は、周辺の自然を楽しんだ。ロープウェイや温泉寺も良かったし、日本海の海・日和山海岸も美しかったが、なんといってもイチ押しは玄武洞だ。自然が生んだ柱状節理というアートのほれぼれする美しさ。思いもかけず、玄武洞の紅葉も素晴らしかった。もちろん、今日も城崎の温泉も食事も最高で、両親を連れて行って大正解だった。