2024年1月2日
ずっと行ってみたいと思っていたところ。
やっと行けた。
この場所に身を置いてこの景色を眺めてみたかった。
まずこの眺めがとても美しくて飽きない。
さらに、ふと目の前の本に目を向けて、図書館のように、気になる本を手に取ってパラパラとページをめくっていたりするのも楽しくて、なかなか動けない。
約8メートルの巨大本棚に囲まれた図書空間、本棚劇場。
なんとも居心地の良い空間。
このスペースだけで20,000冊の本があるらしい。
上の階から撮るとこんな感じ。
プロジェクトマッピングを定期的にやってくれる。
プロジェクトマッピングの動画は撮影禁止で、この写真だけではなんとも説明出来ないが、本棚が燃え始めたり、滝が流れたり、上の写真は木と花だろうか、なんとも面白い企画だった。
本棚劇場から続くエディットタウン•ブックストリートもユニークな図書館的空間だった。
このミュージアムの館長である松岡正剛さんの監修のもと、世界を読み解くための9つの文脈によって25,000冊の本が50メートルの通りに配架されている空間、とのこと。
色々なテーマごとに本が並んでいて、ついつい立ち止まって本を手に取ってしまって、時間がどんどん過ぎていく感じだ。
写真には撮っていないが、ここには椅子がたくさんおいてあって、みなさんそこに座ってじっくり本を読んでいた。
こんな風に踏み台もたくさん置いてあるので、子供たちも自分で好きな本を取って読んでいた。
この空間で見つけた面白い本。
絶景本棚とは、まさに本棚劇場やこの空間のことじゃないですか、という気分。
1Fのギャラリーでは、ダリ展をやっていた。
ダリのことは良く知らず、正直あまり興味がなかったので、事前に予習もろくにせず、本棚劇場のついでに観てみようという気分だったが、これが普通の絵画の展覧会とは全く異なりとても面白かった。
家に戻ってから、改めてミュージアムの公式HPを見ると、以下のような解説があった。+++++++++++++++++++++++++++++
角川武蔵野ミュージアムならではの「体感型デジタルアート劇場」として、《記憶の固執》(1931)、《聖アントワーヌの誘惑》(1946)、《レダ・アトミカ》(1949)など、世界的に知られる数々の名作をはじめ、写真、インスタレーション、映画、記録写真などから構成される映像が、全編にわたりピンク・フロイドの楽曲が鳴り響く中、床や壁面360度に映し出されます。
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ここも動画撮影は禁止なので、何枚か写真を。
どんどん映像が変わっていって、バックに流れるピンクフロイドの曲と相まって、初めて経験する不思議な空間だった。
ここでこういう体験型デジタルアートをやるのはこれが三回目とのこと。
公式HPによると、
第一弾として「浮世絵劇場 from Paris」(2021年)、第二弾として「ファン・ゴッホ―僕には世界がこう見えるー」(2022年)を開催し、特に「ファン・ゴッホ」展は来場者数が24万人を突破。多くの来場者がアートに包み込まれる没入体験を楽しみました、
とのこと。
両方とも体験してみたかったが、やはり特にゴッホはここで観たかったな、体験したかったな。
隈研吾さんのデザインがカッコいい。
この角度からの眺めがベストかな。
この角度も個人的には好き。
眺める角度によって見え方が全く違うな。
足元深くにある地層から、古代の火山積層物が地表に割り出てくるイメージを建築化した、ということだそうだ。
大地の力強さを表現するため、50x70cmに削り出した約20,000枚の石板で建物全体を覆っているとのこと。
そばで見るとこんな感じで表面がとても綺麗。
隈研吾建築都市設計事務所のHPにあるこの建築の説明を以下に引用します。
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世界でも類を見ない、4枚の地殻プレートの衝突によって生じた武蔵野台地・所沢に建つ、デジタルプリンティングの工場、コンピューター制御の新しいタイプの物流倉庫、オフィス、美術館、図書館、博物館、アニメホテル、アニメ文化と連動する神社が有機的・横断的に撹拌された複合施設。武蔵野の台地が隆起して出現したかのような角川武蔵野ミュージアムは、外壁に黒と白の斑が入り混じる、70㎜もの厚みの花崗岩を2万枚用いた。花崗岩は表面を割れ肌仕上げとし、隣り合う石のジョイントには通常行われるような凹凸を揃える加工はせず、割れてできた凹凸のまま段差を残すことで、大地の力強さと1枚の石がそれぞれ独立して浮遊するような軽快さを達成した。巨石の内部は現代アートのようなハイ・カルチャーとアニメのようなロー・カルチャー、モノとコトが撹拌され、従来の二項対立を超越した未来的迷宮としてデザインした。構造用合板による霞棚のような本棚が、脳の構造のように縦横無尽に展開し、さまざまなジャンルの書籍やオブジェを立体的に繋ぐ。巨石を磐座とし、石の荒々しさとの調和を図った、製造・オフィス棟の、目の粗いアルミエキスパンドメタルのフェンスで囲われた境内をもつ武蔵野坐令和神社は、流造りと妻入りが共存し、女性の神を示す内削ぎと男性の神を示す外削ぎが併置され、ここでも混在と撹拌を生じさせ、地域対文化施設を超えた、コロナ時代の新しい場所の創造を試みた。
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隈研吾さんの事務所のHPを見てると、美しい建築がたくさんあって、惚れ惚れしてしまう。
ここには神社もあるが、自分で武蔵野坐令和神社の綺麗な写真が撮れなかったので、公式HPの写真をお借りします。
美しい御朱印もいただきました。
この神社はもちろんとても綺麗で存在感のある神社だが、ミュージアムの建物は自然界の中にある巨岩のように見えて、その巨岩自体が畏れ多い神様のようにも感じた。
以下は余談。
1月7日の日経新聞を読んでいて、こんなものを見つけた。
アイルランドの首都ダブリンのトリニティカレッジ図書館。
20万冊だそうだ。
すごい。美しい。
図書館というより芸術作品だな。
アイルランド、ちょっと遠いけど、今度はここに実際に身を置いてこの景色を眺めてみたい。
おわり
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