2024年8月9〜11日
前回は5年ぶりの立山縦走について書いた。
今回は5年ぶりの大好きな黒部ダムと立山黒部アルペンルートについて。
世紀の大工事と呼ばれ、完成までに7年かかり、171名もの犠牲者を出した黒部ダム、通称くろよん。
その努力の結晶である黒部ダムは本当に美しく、人間が作った建造物と自然の美しさが見事に調和していて大好きだ。
加えて、今年は、立山トロリーバスと遊覧船ガルぺに乗れる最後の年。しっかりと記憶に留めておかねばと、立山縦走と同様の気合い十分で黒部ダムを満喫してきた。
まず、その建設がどんなに大変だったかについては、以下のサイトをご参照。
5年前に初めて黒部に行く前には、三船敏郎と石原裕次郎による映画「黒部の太陽」を見て予習してから訪問した。
間組(当時)の奮闘を取り上げたNHKのプロジェクトXも大好きだ。
黒部ダムといえば、まずはこの眺めから。ほれぼれする圧巻の美しさ。
加えて、今年の11月10日を最後に運行が終わってしまう遊覧船ガルベ。
団体観光客の減少等が背景にあるようだ。
黒部ダムの堰堤を渡ってさらに少し歩いたところに乗場がある。↓
こんな感じで景色が見やすいようになっている。
さようなら 55年間 ありがとう の文字が見える↓
いざ、出発。
黒部ダム(黒部湖)の一番奥の部分まで行くと、平乃小屋が見える。
1963(昭和38)年の黒部ダム完成とともに出来たとのことで、以前は「平の渡し」という橋があって対岸と行き来が出来ていたのが、ダム完成で行き来ができなくなってしまったので、対岸の針ノ木谷との間に渡船を運航することになりこの小屋が運行を担っているとのこと。ネットで見るとご主人はイワナ釣りの名人のようだ。
下船してふと振り返るとガルべが最奥部に向かって絶景の中を進んでいた。さようならガルべ。
レストハウスまで戻ってきたら、黒部ダムカレーでお昼。
自分の写真が下手だったので、黒部ダム公式HPの写真をお借りした。↓
食後のデザートはガルべに敬意を表して、ガルべのラストラン限定のハサイダーフロート。 ↓
黒部ダムを後にする前に、171名の殉職者の方々のご冥福をお祈りする。
レストハウスの少し横に慰霊碑がある。 ↓
このトンネルが出来なければ、黒部ダムの存在はもちろんのこと、我々がこのように立山黒部の自然の美しさを楽しむことも出来なかった。
新展望広場のそばには特設会場があり、当時の建設の大変さを知ることができる。↓
さて、あらためて、立山黒部アルペンルートについてだが、全体は以下をご参照(立山黒部アルペンルートの公式HPより)。日本が世界に誇れる山岳観光ルートだと思う。
5年前に行った時は、新幹線で富山まで行き、富山からのルートで室堂に登り、帰りは長野ルートで扇沢に抜け、さらに長野に移動して新幹線で帰ってきた。
今回は車で行ったので、扇沢の駐車場に車を停めて、長野ルートで室堂までを往復した。
富山ルートも美女平や弥陀ヶ原という美しいところを経由するので好きだが、やはり、黒部ダムや大観峰がある長野ルートは外せないと私は思う。
長野ルートの起点、扇沢から、関電トンネル電気バスに乗って、黒部ダムに向かう。
このバスは今年開通60周年だそうだ。
関電トンネル(旧大町トンネル)は全長5.4kmとのことだが、扇沢側から2km程度のところに、わずか80mを掘り進んで突破するのになんと7ヶ月を要する超難工事となった大破砕帯がある。↓
今でも破砕帯の部分では大量の湧水がトンネル内に流れ込んでおり、その様子は以下の動画から。↓
破砕帯を過ぎて少し行くと、関電トンネルの貫通点を示す赤いサインが見える。このトンネルは長野側から掘り進んだが、破砕帯突破に時間を要したため、反対の富山側からも迎え堀りして、トンネルの途中のこの部分で貫通させた、とのこと。↓
黒部ダムに到着して満喫したら、黒部湖駅から黒部ケーブルカーで移動。↓
ケーブルカーは、標高差400mを5分で一気に登る。中はこんな感じ。↓
黒部平に到着。
黒部平からは絶景が楽しめる立山ロープウェイに乗り換え、大観峰へ。↓
ロープウェイからの眺めはこんな感じで素晴らしい。↓
支柱のないワンスパーン方式としては日本一の長さがあるそうだ。
大観峰からの絶景は写真ではおさまりきらないので以下の動画から。↓
さて、長野ルートの最後を飾るのは、大観峰と室堂の間をつなぐ立山トロリーバス。
現在日本に残る唯一のトロリーバスだが、これも今年の11月30日が最後の運行で廃止となってしまう。来年からは電気バスになるそうだ。
このトロリーバスが走る立山トンネルは雄山の直下を通っている。↓
あの美しい雄山の真下を通っていると思うとなんとも厳かな気持ちになる。↓
そこで対向のトロリーバスとすれ違えるようになっており、その様子は以下の動画から。↓
室堂に着いたら、駅とつながっているホテル立山のティーラウンジ・りんどうでひとやすみ。立山連峰の素晴らしい眺望が楽しめる。↓
名物の水出しコーヒーと黒部ダム・シフォンケーキが美味しい。シフォンケーキは大きいので、3-4人で食べるのがちょうど良い。↓
最後は、一気に長野ルートの起点・扇沢に戻る。
忘れてはいけないのが、扇沢で破砕帯の水を汲んで帰ること。
家に帰って、この水で淹れたとても美味しいコーヒーを飲みながら、立山黒部のことを思い返して、次は三年後、秋の紅葉の季節に再訪することに決めた。
その時は、新ルートの黒部宇奈月キャニオンルートで行くのも一案だな。
こんなにも心を豊かにしてくれる立山黒部の自然の美しさに感謝である。
おわり
追記・扇沢の駐車場について
扇沢の駐車場は上記の通りだが、下の無料駐車場から順番に満車になる。混雑時は無料は朝5時くらいには満車になってしまうようだ。次に狙うのは、その上(駅のそば)にある有料駐車場だが、駅から一番遠い第3駐車場が安い(24時間で1,000円)のでオススメ。少しだけ駅に近い第1と第2は12時間で1,000円なので違いは大きい。クルマで下から駅に向かう際に、まず無料が空いているかチェックして、満車なら迷わず、その次にある有料の第3駐車場に停めるのが良いと思う。最悪、有料もすべて一杯になってしまった場合等は以下のURLをご参照。
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